Published on

リーダーありきの組織は不要?DAOについて

目次

WEB3.0 や DAO、DAPP、DeFi などの言葉をあちこちでみかけます、そんな中で

僕たちはメタ国家で暮らすことに決めたという本を読みました。

気になったとこをメモしていきます。

既得権益のアンチテーゼ

かなりざっくり言うと、DAO の仕組みを使ってみんな平等な国家が作れる。 DAO を使って Alga というアプリを作ったということをおっしゃっていました。

DAO とは 参考

分散型自治組織(DAOs) 中央集権的なリーダーシップのない、メンバー所有のコミュニティ。 インターネット上の見知らぬ人とコラボレーションする安全な方法。 特定の目的のために資金をコミットする安全な場所。

リーダーなしでも意思決定できる仕組みっすな。

権力を持つ人や既得権に結果を左右されず、弱い立場の人が意見を確実に言え、人権を守れると。 なんとも素晴らしい、誰も取り残さないといった思想ですな。

そんな DAO に設計図をもたせたのが Alga というアプリで、Alga ではまずは小さく地方からはじめ、いづれは国家でも!ということでした。

使い方によっては格差生まれない?

中盤の内田教授との対談シーンで気になったのが、 「Algo は DAO をうたっているがクリプトを使ったインセンティブが発生しているよね。」 「これは格差を生む資本主義の権化ではないか」 といった疑問でして、この場合のインセンティブは Alga の説明にあるAlga

貢献に応じたリワードの付与と外貨獲得機能を持ちます。

という部分と解釈しまして それに対しての回答が「ニュートラルな立場」といったことや「土管のようなもの」といった表現でして、いまいちしっくりこなかったのが歯がゆいです。

平等をうたう DAO と矛盾しないかという、たしかに平等が重要という中で積極的に参加する人がどんどん金銭的なメリットを得ていき、関心がない人などが取り残されるのでは今の資本主義と変わらないのではないかとは思いました。 アプリをみんなに使ってもらうために宣伝目的でつけている機能でもないようでしたので、難しいなあ。。

DAO 匿名性 DeFI は似て非なるもの

なにか問題が問題が起こったときに「責任」問題がでてくるよねーといった場面では 匿名性がなくてはならないぐらいの重要なメリットだと思いがちですが、そんなこともなくて別に完全な匿名である必要はないとのことでした。 うーん、現実的にどういった形で実現できるのかイメージが難しい。 この要素は匿名、これは非匿名、全体的に匿名性は 20%ぐらいにしてるよーでも平等で責任問題も解決できるよーみたいなことができるのかな

難民問題

難民は略奪や搾取の不安が常につきまとっているからこの問題は DAO で解決できる。 DAO はリーダーを必要としないから悪意のあるやつは排除できる。 一方で、ビットコインなどの暗号通貨で金持ちになった人もどの国に住むのか問題があって、税金が安くて治安のいい国を探しているある意味難民だと。おもしろいなあ。国とはなにか。

みんなには受け入れられないんじゃないか問題

すべての国が DAO を取り込むことにはならない可能性が高く、それは歴史をみても明らかとのこと。 まあそうだろうなあと思いまして、 人は不安を強く感じたときにヒーローのような絶対的な存在を求める傾向があるようでして、それに対して DAO は真逆の方向なので国だけじゃなく個人でも受け入れられない人がいるのは当然だよなあと。

ものを売る仕組みがえぐい今の資本主義

今の資本主義は不安からお金をどんどん稼ぐ意識が高まっていて、不安が強い国ほどマーケティングがしっかりしていてどんどんものを買わせる仕組みが強いとのことで、 それを DAO で解決できたらよいよねと。 なるほどなあ、たしかにそうだしこれを変えられたらすごい。

また、WEB3.0 や DAO や暗号通貨などの言葉を金儲けとして使っている人がいるのも事実で、なんか胡散臭いみたいなイメージがどんどん膨らんでいってるのでそれらと区別しないとなあと 思っていたところ、巻末の用語説明のページにいいかんじの説明がありました。

セキュリティ アサンプションの説明を個人的にまとめると以下のようになります。

暗号通貨や WEB3,DAO などの言葉に興味をもった読者さんには誠実なプロジェクトとそうでないプロジェクトをしっかり見極めてもらいたい。 リスクを事前に説明するのは最低限のマナー、義務レベルの大事さ > これを隠してユーザーをかき集めるのはあってはならないこと。 ちゃんとしたものかどうかを見極めるには 資産を失うリスクを細かく丁寧に説明することを、聞かれなくても教えるぐらいの積極さがあるかどうか

いいことばかりしか言わないのは怪しいですからねえ、リスクをさらっと説明して終わりみたいなことも多いような気もします。

そのあとに続いた「ビザンチン」の説明もうまいこと続いてまして、 ビザンチンは「信用ならないこと」の意味で、悪意の有無は関係なく、問いに間違った答えを返してくること。 これは故障していることがわかっている相手よりたちが悪く、問題を複雑にしてしまうとのこと。

選民思想の逆が DAO

リーダーや権力を持った人がいる場合だとそのリーダーに何らかのバイアス(思い込み)が働いていたり、こういう結果に操作したい!みたいな思惑があった場合に問題が解決しないことがあります。極端な例だと超差別主義者がリーダーだった場合、解決できない問題は絶対でてきますな。。

思い込みをなるべく減らす意味でも、問題を解決するにあたっては色々な人の意見が大事でその方がより多くの問題を解決できるとのことで、つまり多様性は大事だと。 これは納得ですね。

それが DAO で実現できるんすよねえ、とのこと。

悪い遺伝子はいらん、頭のいい遺伝子だけ残そう、まともなやつだけが必要みたいなことではなく、色々な人がいたほうが絶対いいし、そんな中でしっかりした仕組みがあればいいんじゃないかと思っていたのでそうだよなあと共感しました。 DAO いいよなあ。。

日本だとあと 30 年はかかるなあ

最後に、対談される方のほとんどが口にされていましたが、政府レベルで DAO が実現できるとしたらいつになるのか、といったことについては専門家の方でも日本では30 年はかかるとおっしゃってました。 30 年! 海外だったらもっと早く実現できるとは言っていて、たしかに台湾は投票に重みをつけるニ次投票をすでに導入したりめちゃくっちゃ透明性高いしで DAO 取り入れるとしても早そうだなあ。 既得権がすべて悪いわけではなくいい面もあるんだろうけど、日本の政府が既得権を壊す方向で動いたらどうなるんだろうな。。